●谷脇理史・杉本好伸・杉本和寛編『西鶴と浮世草子研究 第三号 特集[金銭]』(笠間書院)
4月末出来予定、5月10日配本予定です。

谷脇理史・杉本好伸・杉本和寛編
『西鶴と浮世草子研究 第三号 特集[金銭]』
A5判・並製・286ページ(カラー10頁含む)
付録CD付
ISBN978-4-305-60203-9 C0095
定価*本体2,500円(税別)
大変遅くなりました。
ようやく第三号、刊行いたします。
お金にまつわる悲喜劇こもごも。
西鶴の時代、本当のところは、
どうだったのか。
文学のみならず、歴史研究の視点からも、西鶴時代の金銭の実相に迫ります。
■付録
貨幣博物館提供
「金座絵巻」より5つの場面をカラー掲載!
■付録(1)
デジタル古地図[三原市立中央図書館協力]
古地図から見る17世紀の江戸・大坂+α
[解説]島田大助
※古地図をCDに収録
■付録(2)
元禄前後の経済生活を知るために
西鶴作品・八文字屋本の金銭用例一覧
[編]杉本好伸・杉本和寛・義田孝裕・金子奈都美
※エクセルファイルをCDに収録
■企画1
貨幣博物館で学ぶ近世の貨幣
杉本好伸
杉本和寛
藤井典子
■貨幣博物館で学ぶ近世の貨幣・偶感
「大晦日はあはぬ算用」について考える●杉本好伸
■特別寄稿
西鶴がえがいた『越後屋』の背景は『三井高利』の実行力●中村胤夫
■特集論文
1 利得の精神 貨幣的精神--貨幣化された社会の文学●竹野静雄
2 西鶴における金と色の論理--徒然草との関連を中心にして●ダニエル・ストリューブ
3 「釈迦如来のわたくし銀」●佐伯友紀子
4 巻五の意味--『好色五人女』と金銭●木越治
5 地獄の銭は四宝銭--『西鶴伝授車』に見る銀座粛正●井上和人
■歴史研究者から見た西鶴の時代のお金のリアリティ
1 天下統一と貨幣●本多博之
2 元禄時代の貨幣様相●深谷克己
3 西鶴と信用機構--決済と預金--●加藤慶一郎
4 元禄期、貨幣史案内●安国良一
■読書ガイド
ここからはじめる元禄期の貨幣を知るための読書ガイド●高木久史
■投稿論文
1 「慰改て咄しの点取」考--西鶴の「物は尽し」●浜田泰彦
2 都の錦と神道講釈●山本 卓
■追悼 谷脇理史
あらためて振り返る、「谷脇西鶴」とは何か。
「認識」と「表現」をめぐって 谷脇理史先生の西鶴研究●中嶋隆
〈谷脇西鶴〉偲び草 付〈谷脇西鶴〉のための読書案内●石塚修
■ 研究史を知る
1 『好色五人女』●南陽子
2 『武道伝来記』●佐藤智子
3 『日本永代蔵』●浜田泰彦
4 『西鶴織留』●水谷隆之
5 月尋堂●藤原英城
6 青木鷺水●藤川雅恵
■ ブックレビュー
森田雅也『西鶴浮世草子の展開』●藤川雅恵
『西鶴を楽しむ』シリーズ●篠原進
■文献目録
西鶴と浮世草子 最新文献ガイド[平成19年版]●佐伯孝弘・菊池庸介・水谷隆之編
西鶴・浮世草子研究文献目録(稿)[昭和36年〜44年]●倉員正江編
■グローバリゼーションの中の西鶴 第3回
中国における浮世草子の翻訳・出版とその研究について●劉穎
次号、次々号予告
執筆者一覧
編集後記
【3号趣意書】
「ただ銀が銀をためる世の中」、「貧者貧にて、分限は分限になりける。これほど不思議なることなし」といった『日本永代蔵』の中のことばは、現代にもそのまま通用するごとくだが、金銭、より広くいえば経済の問題は、浮世草子の中で大きな位置を占めている。思えばそれは、貨幣経済が浸透し、その主要な担い手となった町人層のための文芸である浮世草子にとっては、当たり前すぎること、金銭とかかわり、それに振り回されることから生ずる悲喜劇は、浮世草子の流れの中で、絶えず面白く、時に可笑しく描き続けられているといってよいであろう。
しかも金銭の問題は、ただちに予想される『永代蔵』以後のいわゆる町人物系の浮世草子に限られるわけではない。それは、好色物系統の浮世草子においても、奇談・珍談を基調とする雑話系統の浮世草子においても、悲喜劇を生む要因となっている場合が多いこと、指摘するまでもない。
しかしこれまで、金銭、経済の問題に焦点を当て、浮世草子そのものの文学としての面白さを十分に解明して行くという視点、それを生かした論考は、思いの外に少なかったのではないか。もっとも、経済史・経済思想史的な側面から町人物浮世草子が取りあげられ、時にビジネス書風の筆法で西鶴の商法、浮世草子の知恵・才覚を語るといった諸書が刊行されていることは承知している。が、それらは、適当な部分を適宜取りあげる断章取義風のもののみ多く、精密な作品論として展開されているようではない。
そこで本特集では、論者がそれぞれの問題意識から金銭、経済の問題に焦点を当て、町人物系の浮世草子に限定することなく、論者独自の切り口によって個々の作品(時にその中の一章も可)を綿密に読み解き、浮世草子の文学としての面白さを縦横に解明していただくことをお願いしたいと思う。金に縁のないのが研究者商売の常、金が敵なることは確かだが、敵を十分に見すえて見事な敵討ちをして下さることを期待している。





























































































































































